今日は以前飼っていたEブルの命日です。
初めて飼ったブルであると同時に初めて飼った犬でした。ずっと犬は好きでしたが、実際に飼ってみて分かったことの方が沢山ありました。
我が家の名目上の立場では一番の末っ子でしたが、本当は私よりもずっと精神的にできた子で、どんなにお世話になったか分かりません。
私が学生の頃、色々と悩むことがあり、家族ともまともに口をきかない時期がありました。その子は、帰宅してもただいまも言わずに自室へ直行する私に気づいて、わざわざ部屋までやって来ては「わんっ(ドアを開けろ)」と言います。部屋に入っても何をするわけでもなく、私に体の一部分をくっつけて寝てしまい、ひと眠りして出ていきます。私の悩みが解決する頃まで、この行動が毎日続きました。
これだけのことで、私の気持ちがどれだけ救われたか分かりません。本当に心配してくれているんだな、私という存在を認めてくれているんだな、と実感できたからです。
このような行動は私に対してだけでなく、家族それぞれにエピソードがあるようですが。
亡くなった原因は悪性の腫瘍、癌でした。初めて飼った犬であったということもあり、病院で勧められるままに薬を飲ませ、手術もしました。亡くなってしまってから何年も経った今でも、あの時の選択が正しかったのか?もっと良い手段はあったのではないか?という思いが離れません。
あの子のことを思い出すといまだに涙がでます。亡くなってしまった悲しさではなく、あの子への感謝の気持ちと私たち家族の判断に対する疑問からです。あの子は幸せな一生を送れたのだろうか、それだけが気がかりです。
泣いたところでもうあの子は戻ってきません。でも沢山の考える機会を残していってくれました。あの子が亡くならなければアトラスとモネにも出会っていませんし、あらゆる面が現在と違っていることでしょう。
残していった宿題は、あの子にではなく、アトラスとモネに、そして私に関わる動植物に提出すれば良いのだと思っています。満点を取れる日まで、提出し続けようと思います。